経営学 学習プラン¶
1. プラン設計の方針¶
1.1 調査対象とした大学カリキュラム¶
本プランは以下の大学の学部カリキュラムを調査・統合して設計した。
日本の大学: - 一橋大学 商学部(経営学・会計学・マーケティング・金融の4領域体制) - 神戸大学 経営学部 - 法政大学 経営学部(経営学科・経営戦略学科・市場経営学科の3学科体制) - 東京理科大学 経営学部(組織行動・経営戦略・マーケティング・会計・ファイナンスの5柱) - 明治大学 経営学部 - 立命館大学 経営学部
海外の大学: - University of Pennsylvania, Wharton School(BS in Economics / Business Fundamentals 11科目体制) - London School of Economics(BSc Management / 経済学・定量手法・会計・OB・HRM・マーケティング・金融・戦略・オペレーション)
1.2 カリキュラム比較から得られた共通構造¶
各大学のカリキュラムを比較すると、経営学の学部教育は以下の領域から構成されるという点で高い一致が見られる。
| 領域 | 一橋 | Wharton | LSE | 法政 | 東京理科大 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経営管理論(総論) | ◎ | MGMT 1010 | MG100 | ◎ | ◎ |
| 経営組織論・組織行動 | ◎ | MGMT 1010 | MG110 | ◎ | ◎ |
| 経営戦略論 | ◎ | 上級選択 | MG301 | ◎ | ◎ |
| マーケティング | ◎ | MKTG 1010 | MG213 | ◎ | ◎ |
| 財務会計 | ◎ | ACCT 1010 | AC1025 | ◎ | ◎ |
| 管理会計 | ◎ | ACCT 1020 | AC2097 | ◎ | ◎ |
| コーポレート・ファイナンス | ◎ | FNCE 1000 | AC3059 | ◎ | ◎ |
| 人的資源管理 | ◎ | 上級選択 | MG112 | ◎ | ◎ |
| オペレーションズ管理 | ○ | OIDD 1010 | MG215 | ○ | ○ |
| 経営情報・意思決定 | ○ | OIDD 1010 | 選択 | ◎ | ○ |
| 統計学・定量分析 | 全学必修 | STAT 1010/1020 | ST107 | ○ | ◎ |
| 経済学基礎 | 全学必修 | BEPP 1000 | EC1002 | ○ | ○ |
| 企業倫理・CSR | ○ | LGST 1000 | 選択 | ○ | ○ |
| 国際経営 | ○ | GEBS | 選択 | ◎ | ○ |
| 経営史 | ○ | 選択 | 選択 | ◎ | ◎ |
1.3 プランの構成原理¶
上記の比較に基づき、本プランは以下の原理で構成する。
- 段階的深化:一橋大学の「導入→基礎→発展」の3段階モデルを採用し、フェーズ1(導入)→フェーズ2(基礎)→フェーズ3(発展・統合)の3段階で進める。
- コア領域の網羅:全大学で共通して必修とされている領域(経営管理論・組織論・戦略論・マーケティング・会計学・ファイナンス)は必ず含める。
- ツール科目の先行配置:Wharton・LSEに倣い、経済学基礎と統計学を早期に配置し、後続科目の分析基盤とする。
- 理論と実践の接続:Whartonのケーススタディ重視の姿勢と、一橋の学術的深さを統合し、各トピックで理論的枠組みと現実の企業事例を併記する。
2. 学習プラン全体像¶
フェーズ1:基盤形成(導入)¶
経営学を学ぶ上で前提となる分析ツールと、経営学全体の見取り図を獲得する。
| # | ユニット名 | 対応する大学科目例 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| 1-1 | 経済学基礎(ミクロ・マクロ) | Wharton: BEPP 1000 / LSE: EC1002 / 一橋: ビジネス・エコノミクス入門 | 15-20h |
| 1-2 | 統計学・データ分析基礎 | Wharton: STAT 1010 / LSE: ST107 | 10-15h |
| 1-3 | 簿記・会計の基礎 | 一橋: 会計学入門 / 立命館: 簿記入門 | 10-15h |
| 1-4 | 経営学入門(総論) | 一橋: 経営学入門 / Wharton: MGMT 1010 / LSE: MG100 | 10-15h |
フェーズ2:コア領域の体系的学習(基礎)¶
経営学の主要6領域を順次学習する。各ユニットは独立性が高いが、推奨順序に従うことで理解の効率が上がる。
| # | ユニット名 | 対応する大学科目例 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| 2-1 | 経営組織論・組織行動論 | 一橋: 経営組織論 / LSE: MG110 Organisational Behaviour | 12-15h |
| 2-2 | 経営戦略論 | 一橋: 経営戦略論 / LSE: MG301 Strategy | 12-15h |
| 2-3 | マーケティング | 一橋: マーケティング入門→マーケティング・マネジメント / Wharton: MKTG 1010 | 12-15h |
| 2-4 | 財務会計・管理会計 | 一橋: 財務会計・管理会計 / Wharton: ACCT 1010, 1020 | 15-20h |
| 2-5 | コーポレート・ファイナンス | 一橋: コーポレート・ファイナンス / Wharton: FNCE 1000 | 12-15h |
| 2-6 | 人的資源管理(HRM) | 一橋: 人的資源管理 / LSE: MG112 | 10-12h |
フェーズ3:発展領域と統合(発展)¶
フェーズ2の知識を前提に、より専門的な領域を学習し、最終的に統合的な視座を獲得する。
| # | ユニット名 | 対応する大学科目例 | 目安時間 |
|---|---|---|---|
| 3-1 | オペレーションズ・マネジメント | Wharton: OIDD 1010 / LSE: MG215 / 立命館: OR | 10-12h |
| 3-2 | 国際経営論 | 一橋: 国際経営論 / 立命館: 国際経営論 | 8-10h |
| 3-3 | 経営史 | 一橋: 経営史 / 法政: 経営史 | 8-10h |
| 3-4 | 企業倫理・コーポレートガバナンス | Wharton: LGST 1000 / 一橋: 企業と倫理・社会 | 6-8h |
| 3-5 | 経営情報論・イノベーション | 法政: 情報・技術 / 東京理科大: 経営情報論・イノベーションマネジメント | 8-10h |
| 3-6 | 統合演習:ケーススタディ分析 | Wharton Senior Capstone / 一橋: 卒論ゼミに相当 | 10-15h |
総学習時間の目安¶
- フェーズ1:45-65時間
- フェーズ2:73-92時間
- フェーズ3:50-65時間
- 合計:約170-220時間
3. 各ユニットの詳細¶
以下に各ユニットの学習目標、カバーすべきトピック、学習の進め方を記載する。資料は私(Claude)の出力をベースに学習する前提で設計する。
フェーズ1:基盤形成¶
ユニット1-1:経済学基礎(ミクロ・マクロ)¶
学習目標: 経営学の分析的基盤となるミクロ経済学(価格理論・市場構造・ゲーム理論)とマクロ経済学(GDP・金融政策・為替)の基本概念を理解する。
トピック:
ミクロ経済学: - 需要と供給、市場均衡、弾力性 - 消費者理論(効用最大化、無差別曲線、予算制約) - 生産者理論(費用関数、利潤最大化、規模の経済) - 市場構造(完全競争、独占、寡占、独占的競争) - ゲーム理論の基礎(ナッシュ均衡、囚人のジレンマ) - 市場の失敗(外部性、公共財、情報の非対称性)
マクロ経済学: - GDP、物価指数、失業率の概念と測定 - IS-LMモデルの基礎 - 金融政策と財政政策 - 為替レートと国際収支 - 経済成長理論の概要
他ユニットとの関連: ミクロ経済学はユニット2-2(経営戦略論:ゲーム理論・産業組織論的視点)、2-3(マーケティング:価格設定)、2-5(ファイナンス:効率的市場仮説)の前提となる。マクロ経済学は3-2(国際経営論)で活用する。
ユニット1-2:統計学・データ分析基礎¶
学習目標: 経営に関する定量的分析の基礎を習得する。記述統計、確率分布、推測統計、回帰分析の基本を理解する。
トピック: - 記述統計(平均、分散、標準偏差、相関係数) - 確率の基礎と確率分布(正規分布、二項分布) - 推測統計(点推定、区間推定、仮説検定) - 回帰分析(単回帰・重回帰の基礎) - ビジネスにおける統計的意思決定の事例
他ユニットとの関連: ユニット2-3(マーケティング・リサーチ)、2-4(会計データの分析)、2-5(ファイナンスのリスク測定)、3-1(オペレーションズ:品質管理・需要予測)で活用する。
ユニット1-3:簿記・会計の基礎¶
学習目標: 複式簿記の原理と、財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の構造を理解する。
トピック: - 企業活動と会計の役割 - 複式簿記の原理(借方・貸方、仕訳、転記、決算) - 貸借対照表(B/S)の構造と読み方 - 損益計算書(P/L)の構造と読み方 - キャッシュフロー計算書(C/F)の構造と読み方 - 財務諸表の相互関係
他ユニットとの関連: ユニット2-4(財務会計・管理会計)の直接的前提。2-5(ファイナンス)の理解にも不可欠。
ユニット1-4:経営学入門(総論)¶
学習目標: 経営学の全体像(学問としての性格、主要領域間の関係)を把握し、以降のフェーズで各領域を学ぶ際の見取り図を得る。
トピック: - 経営学とは何か:対象・方法・隣接分野との関係 - 企業の諸形態(個人企業、合名・合資・合同会社、株式会社) - 株式会社制度の原理(所有と経営の分離、エージェンシー理論入門) - 経営学の主要領域の概観: - 経営戦略:企業はどのような事業戦略を展開するか - マーケティング:どのような製品を企画して販売するか - ファイナンス:そのために必要な資金をどのように調達し運用するか - 会計:企業経営努力によってどれだけの成果が上がったのか - 組織・人材:誰がどのように働くのか - 経営管理論の歴史的展開(テイラー → フォード → メイヨー → バーナード → ドラッカー → ミンツバーグ) - ステークホルダー理論の基礎
他ユニットとの関連: フェーズ2の全ユニットへの導入となる。
フェーズ2:コア領域の体系的学習¶
ユニット2-1:経営組織論・組織行動論¶
学習目標: 組織の構造・設計の理論と、組織内での個人・集団の行動に関する理論を体系的に理解する。
トピック:
組織構造と設計: - 組織構造の基本類型(機能別組織、事業部制、マトリクス組織、ネットワーク組織) - 組織設計の条件適応理論(コンティンジェンシー理論:バーンズ&ストーカー、ローレンス&ローシュ) - 取引費用経済学と組織の境界(ウィリアムソン) - 官僚制と組織の逆機能(ウェーバー、マートン)
組織行動論(ミクロ組織論): - モチベーション理論(マズロー、ハーズバーグ、期待理論、自己決定理論) - リーダーシップ論(特性論→行動論→条件適応論→変革型リーダーシップ) - 集団意思決定とグループダイナミクス - 組織文化と組織コミットメント - 組織学習と知識経営(野中のSECIモデルを含む)
組織変革: - 組織変革のプロセスモデル(レヴィンの3段階モデル、コッターの8段階) - 組織の慣性と変革への抵抗
ユニット2-2:経営戦略論¶
学習目標: 企業が持続的な競争優位を構築・維持するための戦略的意思決定に関する主要理論と分析フレームワークを理解する。
トピック:
戦略の基本概念: - 戦略とは何か(ミンツバーグの戦略の5P) - 企業戦略(corporate strategy)と事業戦略(business strategy)の区別 - 経営理念・ビジョン・ミッションの役割
外部環境分析: - PEST分析(マクロ環境) - ポーターの5フォース分析(業界構造分析) - 戦略グループの概念
内部資源分析: - VRIO分析とリソース・ベースト・ビュー(バーニー) - コア・コンピタンス(ハメル&プラハラード) - ダイナミック・ケイパビリティ(ティース) - SWOT分析の統合的活用
競争戦略: - ポーターの3つの基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中) - ブルー・オーシャン戦略(キム&モボルニュ) - ゲーム理論的アプローチ(コーペティション)
企業戦略: - 多角化戦略(アンゾフの成長マトリクス) - 垂直統合 vs. 外部化 - M&A、戦略的提携 - 事業ポートフォリオ管理(BCGマトリクス、GE-マッキンゼー・マトリクス)
戦略の実行: - バランスト・スコアカード(キャプラン&ノートン) - 戦略と組織の適合(チャンドラー「組織は戦略に従う」)
ユニット2-3:マーケティング¶
学習目標: 顧客価値の創造・伝達・提供に関する理論とフレームワークを体系的に理解する。
トピック:
マーケティングの基本概念: - マーケティング・コンセプトの変遷(生産志向→販売志向→顧客志向→社会志向) - マーケティング・マネジメント・プロセスの全体像
市場分析と標的市場の選定: - マーケティング・リサーチの基礎(調査設計、質的・量的調査法) - 消費者行動論(関与度、情報処理モデル、購買意思決定プロセス) - 市場セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング(STP)
マーケティング・ミックス(4P): - Product:製品戦略(製品ライフサイクル、ブランド管理、新製品開発) - Price:価格戦略(コストベース、競争ベース、価値ベース、ダイナミックプライシング) - Place:流通チャネル戦略(チャネル設計、サプライチェーンとの接点) - Promotion:プロモーション戦略(広告、販売促進、PR、人的販売、デジタルマーケティング)
現代的トピック: - サービス・マーケティング(7Pへの拡張) - B2Bマーケティング - デジタル・マーケティングの基礎 - ブランド・エクイティ(アーカー・モデル) - 顧客関係管理(CRM)と顧客生涯価値(CLV)
ユニット2-4:財務会計・管理会計¶
学習目標: 企業外部への報告を目的とする財務会計と、経営管理の内部情報としての管理会計の両方を理解する。
トピック:
財務会計: - 会計基準の概要(日本基準・IFRS・US GAAPの位置づけ) - 収益認識の原則 - 棚卸資産の評価(先入先出法、移動平均法等) - 有形固定資産と減価償却 - 金融資産の分類と評価 - 引当金・偶発債務 - 連結財務諸表の基礎 - 財務諸表分析(収益性・安全性・効率性・成長性の指標、ROE分解〈デュポン分析〉)
管理会計: - 原価計算の基礎(全部原価計算 vs. 直接原価計算) - CVP分析(損益分岐点分析) - 標準原価計算と差異分析 - 活動基準原価計算(ABC) - 予算管理(予算編成と統制) - 意思決定のための会計情報(関連原価分析、機会費用) - 業績評価の手法(責任会計、事業部制における内部振替価格)
ユニット2-5:コーポレート・ファイナンス¶
学習目標: 企業の投資意思決定、資金調達、資本構成に関する理論と手法を理解する。
トピック:
基礎概念: - 貨幣の時間価値(現在価値・将来価値、割引率) - リスクとリターンの基本的関係
投資決定: - 正味現在価値法(NPV) - 内部収益率法(IRR) - 回収期間法、収益性指数法 - 資本予算の実務的論点
資本コストと資本構成: - 資本資産価格モデル(CAPM) - 加重平均資本コスト(WACC) - モジリアーニ=ミラーの定理(MM理論) - 最適資本構成とトレードオフ理論 - ペッキング・オーダー理論
配当政策: - 配当政策の理論(配当無関連命題、シグナリング仮説、エージェンシー理論的説明) - 自社株買いとの比較
企業価値評価: - DCF法(割引キャッシュフロー法) - マルチプル法(PER、PBR、EV/EBITDA等)
ユニット2-6:人的資源管理(HRM)¶
学習目標: 組織における人材の獲得・育成・評価・報酬に関する理論と実務を理解する。
トピック: - HRMの戦略的位置づけ(戦略的人的資源管理) - 採用と選考(ジョブ分析、採用プロセス設計) - 人材育成と能力開発(OJT/Off-JT、キャリア開発) - 人事評価制度(目標管理、コンピテンシー評価、360度評価) - 報酬制度(基本給体系、インセンティブ設計、福利厚生) - 日本的雇用システム(終身雇用・年功序列・企業別労組)の形成と変容 - 労使関係と労働法の基礎 - ダイバーシティ・マネジメント - ワークライフバランスと働き方改革
フェーズ3:発展領域と統合¶
ユニット3-1:オペレーションズ・マネジメント¶
学習目標: 製品・サービスの生産・提供プロセスにおける管理手法と最適化の考え方を理解する。
トピック: - オペレーション戦略とプロセス設計 - 生産管理の基礎(MRP、JIT/リーン生産方式、かんばん方式) - 品質管理(TQM、統計的品質管理、シックスシグマ) - 在庫管理(EOQモデル、安全在庫、ABC分析) - サプライチェーン・マネジメント(SCM)の基礎 - キャパシティ管理とボトルネック理論(TOC) - サービス・オペレーション - 意思決定モデリング入門(線形計画法、待ち行列理論の概要)
ユニット3-2:国際経営論¶
学習目標: 企業のグローバル展開に伴う経営上の諸課題を理論的に理解する。
トピック: - 国際経営の理論的枠組み(OLIパラダイム〈ダニング〉、ウプサラモデル) - 多国籍企業の組織形態(グローバル統合 vs. ローカル適応、バートレット&ゴシャールのI-Rフレームワーク) - 国際参入モード(輸出、ライセンシング、合弁、完全所有子会社) - 異文化マネジメント(ホフステードの文化次元理論) - 国際人的資源管理(駐在員管理、現地化) - グローバルサプライチェーンとリスク管理 - 新興国市場とBOP(Base of the Pyramid)戦略
ユニット3-3:経営史¶
学習目標: 企業経営の歴史的展開を理解し、現代経営の制度的・歴史的文脈を把握する。
トピック: - 産業革命と近代企業の誕生 - アメリカ大企業体制の形成(チャンドラー『経営者の時代』の議論) - 経営管理論の歴史(科学的管理法→人間関係論→行動科学→システム論→コンティンジェンシー理論) - 日本企業の歴史的展開(財閥の形成と解体、戦後の経済成長と日本的経営) - 情報革命とプラットフォーム企業の台頭 - 現代企業のガバナンス構造の変遷
ユニット3-4:企業倫理・コーポレートガバナンス¶
学習目標: 企業の社会的責任と統治構造に関する理論と実践を理解する。
トピック: - 企業倫理の理論的基礎(功利主義、義務論、徳倫理学のビジネスへの適用) - CSR(企業の社会的責任)の概念と展開 - ESGとサステナビリティ経営 - コーポレートガバナンスの制度的枠組み(日本型・アメリカ型・ドイツ型の比較) - 日本のコーポレートガバナンス・コード - 企業不祥事の分析と内部統制 - ステークホルダー・エンゲージメント
ユニット3-5:経営情報論・イノベーション¶
学習目標: 情報技術が経営に与える影響と、イノベーションの創出・管理に関する理論を理解する。
トピック:
経営情報論: - 情報システムの類型(TPS, MIS, DSS, ERP) - IT投資の評価と経営戦略との整合 - デジタルトランスフォーメーション(DX)の概念 - プラットフォームビジネスとネットワーク効果
イノベーション・マネジメント: - イノベーションの類型(プロダクト/プロセス、漸進的/急進的) - シュンペーターの「創造的破壊」 - クリステンセンの「破壊的イノベーション」 - オープン・イノベーション(チェスブロウ) - 技術経営(MOT)の基礎 - アントレプレナーシップの基礎
ユニット3-6:統合演習 — ケーススタディ分析¶
学習目標: フェーズ1-3で学んだ理論・フレームワークを統合的に活用し、実際の企業事例を多角的に分析する能力を養う。
進め方: 本ユニットでは、複数の企業ケースを取り上げ、以下の観点から統合的に分析する。各ケースについて私に分析を依頼する形で進めることを推奨する。
- 外部環境分析(PEST、5フォース)と内部資源分析(VRIO)の適用
- 財務諸表分析による企業の財務的健全性の評価
- 経営戦略の特定と評価
- 組織構造・人材戦略との整合性
- マーケティング戦略の分析
- 企業倫理・ガバナンス上の課題の検討
推奨ケース例: - トヨタ自動車(リーン生産、グローバル戦略、ガバナンス) - ソニー(多角化と事業再編、イノベーション) - ファーストリテイリング/ユニクロ(SPA、グローバル展開、マーケティング) - Apple / Amazon / Google のいずれか(プラットフォーム戦略、イノベーション)
4. 学習の進め方に関する推奨事項¶
-
フェーズ1は省略しない:経営学の各論は、経済学的思考や会計の基本知識を前提としている。とくに1-1(経済学基礎)と1-3(簿記・会計の基礎)を飛ばすとフェーズ2での理解が表層的になる。
-
フェーズ2のユニット間順序:2-1(組織論)→ 2-2(戦略論)の順を推奨する。戦略論の中で組織構造の議論が登場するため。2-4(会計)→ 2-5(ファイナンス)も同様に順を推奨する。2-3(マーケティング)と2-6(HRM)は比較的独立性が高く、任意のタイミングで履修可能。
-
ユニットごとの学習サイクル:各ユニットでは「(1) 私からの体系的な講義的出力 → (2) 理解確認のための質疑応答 → (3) 応用問題・ケースへの適用」というサイクルを推奨する。
-
ノートの作成:各ユニットの学習後、主要概念・理論・フレームワークを自分の言葉でまとめることを推奨する。私に要約やチートシートの作成を依頼することも可能。
-
フェーズ3の取捨選択:フェーズ3の全ユニットを必ずしも均等に学習する必要はない。関心や目的に応じて重点を置くユニットを選択してよい。ただし3-6(統合演習)は統合的理解のために強く推奨する。